設立趣意書

 一般社団法人くらしサポート・ウィズ 設立趣意書

広がる格差社会の中、経済的弱者をたすけあいの精神で支えあい、問題解決に導くことを目的に2006年に設立された「生活サポ-ト生活協同組合・東京」は、設立10周年の節目に「一般社団法人くらしサポート・ウィズ」として新たな一歩を歩みだします。「生活協同組合」から「一般社団法人」に変わることで、組合員や限定した地域だけでなく、広く社会にわたしたちの事業を利用いただくことができます。これまで生協で培ってきたスキルやネットワークを存分に活かし、「社会のために広く役立つ組織」として、これからも社会に貢献していきます。

日々飛び込んでくる相談の内容は、生きづらさ、親子間や夫婦間の人間関係、お金、相続、介護など多岐に渡り、現代社会の歪みに苦しむ声が伝わってきます。2008年のリーマンショックの後、多重債務問題が相談の中心となる年もありましたが、近年は生活のベ-ス自体が貧困状態という厳しい状況の方からの相談が増えています。

充分な年金を手にできない高齢者、非正規雇用やひきこもりなどの増加、ひとり親世帯と子どもの貧困の問題、奨学金問題も含めた教育費の過剰負担など、普通に暮らしていけるはずの人々も、現代の社会構造、経済構造の問題から生活困窮を強いられる状況に陥っています。更に経済格差の問題に加え家族、地域、社会からの孤立が問題を深刻化させています。

無縁・孤立が広がる現代こそ、「共に生きる」仕組みや社会での「支え合い」を広げて、誰もがくらしやすい社会を創ることが求められているのではないでしょうか。

ひとつの組織では、多様な社会的課題は解決できません。公的支援と同時に、協同組合や非営利組織など民間レベルでの活動を活発にすることで、多くの人の理解や協力が生まれ、問題解決につながっていきます。

私たちは、設立母体でもあるパルシステム連合会や生活クラブ生協・東京をはじめ、関係団体との連携を強めながら、よりくらしやすい地域、社会づくりを目指し「一般社団法人くらしサポート・ウィズ」を設立いたします。

2016年12月19日