くらしサポート・ウィズの関連団体の新着記事のご紹介 のんびる5・6月号

特集:知れば楽しい 食べて美味しい 世界の味

日本で作られる漬物類のうち、生産量がもっとも多いのがキムチ(※1)。
スーパーには何種類ものキムチが並び、鍋料理のスープとしても親しまれています。
朝鮮半島で冬の保存食として生まれ、移り住んできた人々によって伝えられたキムチは、今や日本の食卓にすっかり定着したといえるでしょう。でも、置き去りにされているものがある─そのことを、美味しいキムチとともに伝えている人々がいます。

甘くて辛いキムチとともに 

埼愛キムチ・きむちShop順姫

<大忙しの発送作業>

さいたま市大宮駅からバスで10分ほどのところに、埼玉朝鮮初中級学校はあります。

芝川をわたる風の冷たい土曜日朝9時、体育館と隣の調理室には、たくさんの保護者やボランティアが集まって、段ボールなど梱包材の準備が始まっていました。

2カ月に一度の埼愛キムチ販売会、44回目となるこの日は全国およそ350カ所に向けて、2615もの商品を仕分けして発送するのです。

「最初は十数袋から始まったんですよ。それがいろんな形で広がって、今では北海道から沖縄まで、全国から注文をいただくようになりました」埼愛キムチ事務局の金範重さんはいいます。

「今日はそれほどでもないのですが、商品数が3000を超えると宅配業者さんが集荷に来る午後3時まで、昼休みもろくに取らずに準備をしないと間に合いません」。
一番人気の白菜キムチのほか、レンコンキムチ、長芋キムチ、ネギキムチ、さきいかキムチなど季節のキムチと、サムジャン(万能みそ)、もちもち食感の太麺に辛さがクセになるスープのユッケジャンうどんなど毎回10種類ほどの商品は、それぞれ全国のお店から仕入れています。

「美味しいものをと、みんなで試食をして選びました。白菜キムチは大阪の朝鮮学校の保護者が営む会社に頼んでいます」。 インターネットで受け付けた注文を集計し、各業者に発注、届いた商品を一件一件バラバラの注文に合わせて箱詰めするのは、神経を使い、手間も人手も必要な作業であることが見てとれます。

「ここ2〜3年、注文がぐんと増え、どうしてもミスが出ることから、間違いを防ぐやり方を試行錯誤してきました。30ずつブロック分けして、箱詰めしながら点検できる仕組みにしてからは、ミスもほぼなくなりましたよ」(金範重さん)。白菜キムチは販売会当日の朝に届きます。大きな段ボールを何箱も運ぶのは、青年ボランティアのみなさん。

最初は学校のオモニ(お母さん)たちでやっていたものの、力仕事が増えたことから若者に声をかけることにしたそうです。

子どもが卒業しても埼愛キムチのボランティアを続けるオモニも多くいます。

「ここに集まるのは楽しみでしかないんです。毎月だったら大変だったかもしれないですけど」という金秀玉さんもそのひとり。

下の子がこれから初級学校(小学校)入学で、中学卒業まであと9年は続けたいと話す表希和さんは、「その頃までには、この仕分け作業も機械化されてるかも?」とみんなを和ませます。 」

写真/やまがなおこ

続きは2024年のんびる5・6月号 特集知れば楽しい 食べて美味しい 世界の味をご覧ください。

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