くらしサポート・ウィズの関連団体の新着記事のご紹介です。のんびる11・12月号

「国を持たない世界最大の民族」と呼ばれているクルド人。埼玉県蕨市と川口市には、さまざまな事情で日本へ逃れてきた約2,000人のクルド人が暮らしています。「日本語を学びたい!」というクルド人女性の声をきっかけに、オンラインの日本語教室が始まりました。

オンラインでつながる。 この町で暮らす。

 Gemini オンライン日本語教室 (埼玉県蕨市、川口市ほか)

<「ハレムとゾフレのだいどころ」>

さいたま市南区の「ヘルシーカフェのら」では月に1回、ビュッフェスタイルのワンデイレストラン「ハニムとゾフレのだいどころ」がオープンします。
羊飼いのサラダ、ひよこ豆のピラフ、ラム肉とチーズと野菜のピリ辛パイ「キョンベ」、ピスタチオたっぷりのパイ菓子「バクラヴァ」など、できたてのクルド料理が全10品。
「Gemini オンライン日本語教室」の先生たちが主体となり、本場の美味しいクルド料理を2人のクルド女性(ハニムさん、ゾフレさん)がボランティアで作っています。
楽しそうに(美味しそうに)食事をする方のなかに、Geminiの先生がいました。
「『日本で暮らすクルド女性に、ボランティアで日本語を教えませんか』という呼びかけをSNSで読み、思いきって申し込みました。
今は来日したばかりの方がおひとり生徒さんで、最近はお子さんの宿題をみることもありますよ」  
その話をそばでうれしそうに聞いているのが、Gemini代表の磯部加代子さん。
1999年から2001年までトルコに遊学。
帰国後、トルコ語の通訳・翻訳者となり、2003年からクルドの人たちと関わります。
クルド人は世界でおよそ3000万人、その半数がトルコで暮らしています。
トルコで差別や迫害を受け、やむなく日本に逃れてきたクルド人の多くが、蕨市と川口市で暮らしています。

「在日クルド人を支援する『クルドを知る会』の中島由佳利さんと出会い、イベントや通訳のお手伝いを始めました。
私はマイノリティの人たち、少数民族や女性と関わりたかったので、やりがいがありました」  
磯部さんは子育てをしながら、通訳や翻訳の仕事を続けます。
2020年の新型コロナウイルス感染拡大では、在留資格がない人には10万円の特別定額給付金が出ないことを受けて、何かできることはないかと模索しました。
そこで在日クルド人に向けてトルコ語に翻訳し、SNSで情報発信しました。
「トルコは携帯電話の普及が日本より早く、スマホを使いこなすクルド人もたくさんいます。
スマホとWi‒Fiがあればやりとりできますし、コロナをきっかけに、フェイスブックのメッセンジャーで相談ごとも聞くようになりました。
そのひとつが『日本語を学びたい!』です。
私は語学を教えるのに向いていないので、日本語教育を学ぶ大学生にボランティアで先生をお願いして、オンラインの日本語教室を立ち上げました」

「Geminiオンライン日本語教室」グループレッスンのイメージ 
イラスト提供/Gemini 文/やまがなおこ 写真/堂本ひまり

続きはパルシステムが発行する地域と暮らしの課題解決マガジン
『のんびる』11・12月号 特集:誰も取り残されない?スマホ・SNS・アプリをご覧ください。

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