駅前の小さな通りで、2軒の本屋さんが向かい合って商いを続けています。
その佇まいを作家の川内有緒さんは、「年が離れた兄弟のような」(※)と書いています。
今回はその”弟”の方を訪ねました。
(※)川内有緒「漕ぎ出そう! 読み、知り、書くという冒険へ ~冒険研究所書店と本屋・生活綴方の物語~」(「未知の細道」202号)
本と出会う場所
駅前にふたつの本屋さん
本屋・生活綴方(神奈川県横浜市)
<本好きの多い町で>
東急東横線の妙蓮寺は、普通電車しか停まらない小さな駅。
駅前の人通りは多く、喫茶店、八百屋、パン屋、精肉店、おでん屋、とんかつ屋、薬局、電器店、衣料品店など、どこか懐かしい雰囲気です。
通りを歩いていると、1949年創業の「石堂書店」
と、2020年開店の「本屋・生活綴方」が見えてきます。
石堂書店の2階でひとり出版社「三輪舎」を営む中岡祐介さんは、東日本大震災の日、この店と出会いました。
「横浜で地震に遭い、東横線の菊名まで歩いて帰ったんです。
その途中、暗がりに『本』というネオンが見えて、何事もなかったかのように営業していました。
その光景がすごく印象的で、小さなこの町に、こういう本屋さんがあることがすごくうれしかった」(中岡さん)
しかし、町の本屋さんにとっては厳しい時代。石堂書店は、店舗の老朽化も進んでいました。
本屋・生活綴方(左)と石堂書店(右)
・・・続きは
『のんびる』9・10月号 特集 本と出会う場所をご覧ください。